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我が宅録システム(2010〜14年)

私の録音環境が変りました。おそらくこれが決定版になるはずです。結論から紹介しますと、デジタルレコーダーを介して録音と編集の工程を分けるというもの。機器構成は以下のとおりです。

我が宅のシステム構成

品名メーカー型名購入価格備考
マイクRODENT1-A15,800円コンデンサー
オーディオインターフェイスZOOMH4n24,000円ハンディ
レコーダー
ヘッドホンSONYMDR-CD900ST17,000円
マイクケーブル--0円NT1-A付属
マイクスタンドTAMAMS2056,500円ブーム型
ポップガード--0円NT1-A付属
合計63,300円

ざっとこんな感じです。ここに至るまでの話しを順を追ってご紹介していきます。

今までの環境

ダイナミックマイク-オーディオインターフェイス

朗読の録音をする以前にもともと所有していた機器構成です。SC-D70というのは、オーディオインターフェイス機能を持ったMIDI音源です。

旧機器構成(SM58・SC-D70)

USBコンデンサーマイク

それなりの音質で手軽にコンデンサーマイクで収録したいと思い、USB.008を購入しました。

旧機器構成(USB008)
音質には満足でしたが、上質のサンプルを録音する上でいくつかの問題がありました。

  • モニターの遅延問題
  • PCのファンの騒音

◇モニターの遅延問題

モニターの遅延はUSB.008を使う以上、対策困難でした。USB.008を改造してヘッドホンを直接つなげられるようにしようかとも思いましたが、音質低下と引替えになりそうなのでやめました。結局、USB.008は捨てて新たにコンデンサーマイクとオーディオインターフェイスを購入するしかないとの結論に達しました。ちなみに、所有しているSC-D70はファンタム給電ができないのでコンデンサーマイクは繋げられません。
この時点で候補に挙がった機器はNT1-AとX2uです。

◇PCのファンの騒音

PCのファンの騒音がなかなかすごい。これをどうするか。「気にしない」という選択肢もありましたが、マイクをはじめどんどん性能の良い環境にして行こうという流れの中で、無視できないものになっていきました。
対策としてまず考えられるのは、マイクとPCとを隔離するということです。しかし、我が家はワンルーム。隔離できる部屋はユニットバスしかありません。録音の度毎にPCをユニットバスに設置し直すのは手間が掛るし、ユニットバスにマイクを設置すると反響対策に苦労するはずです。なので、隔離案は却下です。
次に考えたのは、騒音を元から緩和しようという事です。PCの周りを吸音材で囲みました。これはかなり効果はありましたが、あまりに大きい騒音は消えはしませんでした。
ただ、マイク周辺を吸音材で囲むなどの対策はPCファン以外の騒音軽減にも効果があることが分ったので、いずれ役立てようと考えています。

結論

PCのファンの騒音をマイクが拾わないようにするには、PCを止めるしかないとの結論に達しました。つまり、PC以外の機器で録音すると言うことです。この時点で、以前から調べて目を付けていたH4nの採用が決まりました。また、最近私がライブ朗読を記録に残そうと考え始めていることも、ハンディデジタルレコーダーの採用につながりました。

新しい環境での録音・編集工程

録音

録音時にはPCの電源を落として、H4nの録音機能で録音します。ちなみに、H4nにはMTRモードというのがあり、あらかじめBGM等を別トラックに入れておいて、それに合せて声を録るということも可能です。

我が宅のシステム構成(録音時)

編集

録音が終ったらPCを立ち上げて、H4nに録音した音声データをPCに読み込み、編集します。

我が宅のシステム構成(編集時)

機器の評価

NT1-A、H4n共に素晴らしいです。H4nは内蔵マイクの性能がかなり良いです。しかし、NT1-Aを繋げるとさらに高音質で、相対的にH4nの内蔵マイクが劣って感じられました。上を知ってしまった故の不幸であって、内蔵マイクだけでも充分かもしれません。ただ、見た目の問題はあります。ごっつい機械に向って声を発するのは、私には違和感があります。


posted by rodoku_ole at 2010-06-08 | Comment(2) | TrackBack(0) | 自宅録音ガイド

ノイズ対策

朗読者がいくら素晴らしい音声を発しても、余計な音が混じってしまっては良い録音物にはなりません。雑音は極力ゼロに近づけたいです。とは言っても雑音にもいろいろ種類があります。

  • 音源が発する音
  • 環境音
  • 録音機器が発する音
  • 録音機器に乗っかる電気的・電磁的ノイズ
以下、詳しく説明していきます。

音源が発する音

朗読の場合、音源は朗読者です。その朗読者が出す音というと、強い息を発してマイクに当ててしまうポップ音、発語する時に口から「ネチャ」「ピチャ」っと出るリップノイズ、原稿をめくるときのペーパーノイズブレス音衣服が擦れる音腹が鳴る音などです。

これらを防ぐ方法は基本的には「気を付ける」です。しかし厄介なものもあります。息が原因のものはほとんど癖ですから、違った種類の息遣いが出来るように訓練が必要でしょう。まあ、ポップガード付けてもポップ音が出るようだとかなり重症ですが。
また、リップノイズも意識してもなかなか防げません。私も苦労しています。録った後で一個一個消したりもします。その場での対策としては口中がネバ着くような飲食物を避け、出ちゃったらやり直すぐらいしかないでしょうが、長期的にはノイズが出にくい発語をマスターすべきでしょう。

環境音

音源以外が発する音です。以下、個別に述べます。

エアコン

これは録音時にエアコンを止めるしかありません。真夏などは、録音停止したらガァーっと冷やして、録音ボタン押す直前に止める、の繰り返しになりますね。

冷蔵庫

コンプレッサー(エフェクターのではありません。念のため)が作動している時にブーンという音がします。機種や距離によっては無視できない雑音になります。電源を切るわけにもいきませんから、音がし始めたらあきらめて録音を停止するしかないでしょうか。

時計

カチカチ音がするアナログ時計は別の部屋や布団の中に閉じ込めましょう。

外部の音

自動車、電車、飛行機、犬、靴音、など一時的なものは消えるまで待つしかありません。
隣人が頻繁に音を発している場合は、出かける時間帯を把握してその時間帯をねらうか、「うるせぇ!」と怒鳴り込むか、にっこり笑ってお願いするか、さもなくば引っ越すしかありません。

録音機器が発する音

自宅録音ですと録音機器というのはパソコンでしょうか。機種によってはファンやハードディスクの回転音が無視できないほどに聞こえます。デスクトップよりはノートの方が断然いいです。私の場合はデスクトップPCのノイズが致命的だったので録音時はPCを使わずに一旦デジタルレコーダーに録音するようにしました。このあたりのノイズはマイクの性能によってかなり違います。コンデンサーマイクだとファンの音はかなり真面目に拾ってくれます。

機器が発するといえば、操作音も見逃せ聞き逃せません。録音開始あるいは停止時のマウスクリックやキー押下の音は録音ソフトの仕組みによっては入ってしまう場合があります。これは後から消すしかないですね。

録音機器に乗っかる電気的・電磁的ノイズ

電源にノイズが乗っていたり、アナログ回路がPCの何らかの信号の影響を受けたり、遠くにある思いもよらぬ機器の電磁波がマイクの回線に乗ったり、いろいろなことが起こり得るらしいです。詳しくは分かりませんが。電源ノイズの場合は、フィルター付きのテーブルタップから供給するとか、ケーブルにフェライト・コアを付けるとか。フェライト・コアはマイクケーブルにも有効です。PC内部で拾わないようにするにはオーディオインターフェイスでデジタル化して入力すれば大丈夫。

雑音を相対的に軽減する

雑音というのはこちらの都合に関係なく決まったの音量でマイクに向かってきます。それに対し、録りたい音声の音量はある程度は調整できます。つまり、音声をより大きな音で拾ってやるほど、雑音のレベルは相対的に低くなります。マイクとの距離は近い方がいい、声量は多い方がいい、ということです。ただし、音質や表現の質が変わってきますから難しいところではあります。

また、マイクの向きも影響します。マイクには指向性がありますから、雑音源と反対方向にマイクを向けるだけで軽減できます。

まとめ

自宅録音では、自分の都合ではどうにもならない要因が多く、雑音源が去るのを期待するしかない場合が多いのです。手軽に済まそうとすれば仕方のないことなのかも知れません。ただ、雑音には敏感であって欲しいです。雑音の多い録音物の一番の原因は、録音した人の無頓着かも知れません。

posted by rodoku_ole at 2012-03-02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 自宅録音ガイド

編集時のノイズ除去

録音したデータが何の修正も必要とせず完璧だということは滅多にありません。朗読が上手くいったとしても音声としては調整が必要になります。だいたい以下のような作業をします。

  • ノイズの除去
  • 音量差の調整
  • トーンの調整(イコライジング)
  • 音圧(感)の調整(コンプレッション)
  • 最終的なレベル調整(ノーマライズ)

この記事では私の経験から身につけたノイズの除去のノウハウをAudacity(1.3.13 Mac)を使った例で紹介します。サンプル音声は「羅生門」の冒頭の「ある日の暮れ方のことである」をなぜか二回繰り返してノイズ多めで録音しました。ノイズ多めとは言ってもPCのスピーカーで聴く分には分からないかもしれなせんが、ヘッドホンで大きめの音で聴くとはっきり分かります。ここで扱った音声はWAVE形式ですが、お聴き頂ける音声はそれをMP3に変換したものです。また、波形等の画像はクリックすると大きめのサイズで開きます。

(プレーヤーが表示されない場合はここをクリック)
除去前の音声波形
除去前の音声波形

以降、ノイズの種類による除去方法を詳しくご紹介します。

posted by rodoku_ole at 2012-05-13 | Comment(0) | TrackBack(0) | 自宅録音ガイド

無声部分のノイズの除去

無声とはここでは文と文との間のように声を発していない状態を指します。声以外の音が鳴っている可能性もあるので無音とは区別します。このときのリップノイズ、ブレス音、声門閉鎖音(*)、飲み込み音、ペーパーノイズ、その他突発的な環境音等を除去します。やり方は何通りかあります。

(*私の場合、緊張が原因で発語の直前に一瞬躊躇して声門を閉めたりして声門閉鎖音が出ることがあります。)

  1. ノイズを切り取ってしまう
  2. 無声の範囲を完全に無音化してしまう
  3. 定常音(声を出していない時にマイクが自然に拾う音、その他の電気的なノイズなども含む)をコピーする

一つ目の方法は、切り取ることにより無声部分が短くなっても無視できるクリック音などの短いノイズの場合に向いています。
二つ目は定常音が小さい時に使えます。目安としては声を出している部分で定常音の存在が気にならなければOKでしょう。定常ノイズが多い場合に完全に無音化してしまうと、発声部分でいきなりノイズが重なって聞えて不自然です。そのような場合は三つ目の方法が適しています。

では、下の図で示すノイズをそれぞれの方法でどう除去するかを説明します。

除去箇所
除去する箇所
(1)ノイズを切り取る

ノイズ部分が無視できる程度に短ければ、カットしてしまいます。ノイズ部分を選択してメニューから[編集(E)]-[削除(D)]、またはDELETEキー押下。切り取り([編集(E)]-[切り取り(t)]、または切取ボタンをクリック)でもいいですが、この場合はカットした部分がクリップボードに保存されます。

ノイズ範囲を指定したAudacity画面
ノイズ範囲を指定してカット
ノイズ部分カット後のAudacity画面
ノイズ部分カット後
(2)無声部の無音化

無声部分を範囲選択し、無音化機能で無音化します。メニューから[編集(E)]-[無音(o)]、または無音ボタンをクリックします。

無音化範囲を指定したAudacity画面
無音化範囲を指定して無音化
範囲指定して無音化した後のAudacity画面
無音化後
(3)定常音のコピー

ノイズを消したい範囲と同じ時間幅の定常部分を範囲指定してコピー(メニューから[編集(E)]-[コピー(C)]、またはコピーボタンをクリック)した後、消したい範囲を選択して貼付ける(メニューから[編集(E)]-[ペースト℗]、または貼付けボタンをクリック)。

コピー元の範囲を指定したAudacity画面
コピー元の範囲を指定してコピー
置換え対象範囲を指定したAudacity画面
置換え対象範囲を指定して貼付け
置換え後のAudacity画面
置換え後

以上の三通りを上手く使い分けましょう。他にも「ノイズの除去」「クリックノイズの除去」などのエフェクトもありますので試してみて下さい。

posted by rodoku_ole at 2012-05-13 | Comment(0) | TrackBack(0) | 自宅録音ガイド

リップノイズの除去

ここでは、口中で鳴る「ピチャ」「ネチャ」(「パチッ」と聞えることもあります)というノイズを扱います。(唇が出す音は除去したことがないので分かりません。) リップノイズは発語の直後が多いのですが、発語中にも出ます。

●リップノイズの発見

耳で聞いて(性能の良いヘッドホンで確認)気にならなければ放っておけばいいです。気になる場合はそのノイズがあるのが波形のどの部分かを詰めていきます。

スペクトラム表示で見つけることもできます。下の図は、上段のトラックを下段にコピーし、下段をスペクトラム表示に切り替えたものです。5kHz辺りで数ミリ秒、濃く出ているところがあったら怪しいです。

スペクトラム表示のAudacity画面

この辺かなと当たりをつけたら波形を拡大します。以降、ひとつ目の0.8秒あたりのノイズ除去作業を具体的に説明していきます。0.8秒辺を位置選択して時間軸を拡大していくと……。

リップノイズ拡大波形

ありました。これは発見すると嬉しくなってしまうぐらいの非常に除去しやすい波形です。0.804〜0.806秒ぐらいの2ミリ秒強の間に波が10個ぐらいでしょうか。2ミリ秒の間に波が10個ということは1秒当り5千個の波があるということですから、周波数にすると5kHz。スペクトラムで濃く出ていた周波数と一致します。この細かな波を除去します。このやり方も何通りかあります。

(1)ノイズ部分を削る

ノイズの波形だけをカットする方法です。これは無声部分では有効ですが、それ以外では使えません。試しにやってみましょう。カットの仕方は無声部分のノイズ除去と同じです。

ノイズ波形を選択したAudacity画面
ノイズ波形を選択
ノイズカット後ののAudacity画面
ノイズカット後

やはり、継ぎ目で尖った不自然な波形になりました。こういう波形は余計な倍音を含み、結果としてノイズになるので避けたいです。

(2)ノイズの乗っている波を削る

前記のような現象を避けるためにキリのいいひと波単位でカットする方法です。選択範囲はゼロレベル線(X軸、時間軸)との交点から交点、上りで始まったなら上りで終る、下りで始まったのなら下りで終るようにするとカット後の波形も自然につながります。

ノイズの乗っているひと波を選択したAudacity画面
波の選択
ノイズの乗っているひと波をカットした後のAudacity画面
カット後
(3)ノイズの乗っている波を置き換える

波を丸ごと削ってしまうと影響が大きい場合は形の似ている波形(大概すぐ隣にあります)をコピーして貼り付ける方法もあります。

コピー元波形の範囲を指定したAudacity画面
コピー元波形の範囲を指定してコピー
置き換え対象範囲を指定したAudacity画面
置き換え対象範囲を指定して貼付け
置き換え後のAudacity画面
置き換え後
(4)ノイズ部分を「修復」する

Audacityの機能で「修復」というエフェクトがあります。これにより、きれいな滑らかな波形になり、結果的にリップノイズが除去されたのと同じ効果が得られる場合があります。場合によっては本来の波形とは似ても似つかない波形になることもありますから、そういう場合は別の方法で除去するしかありません。

ノイズ波形を選択し、[エフェクト(c)]-[修復…]を選択します。

ノイズ波形を選択したAudacity画面
ノイズ波形を選択
ノイ修復後のAudacity画面
修復後
(5)ノイズ部分を手書きで滑らかにする

Audacityには「ペンツール」というのがあって波形を手書きで描くことができます。この機能を使ってノイズの細かい波形を滑らかな線に書き換えます。

ペンツールで描くためには、まず波形に点が現れるまで時間軸を拡大します。それからペンツールボタンをクリックしてペンツールモードに切り替え、ペン型のマウスポインターをクリックしながら動かして任意の線を引きます。

点が見えるまで拡大されたノイズ波形
波形を点が見えるまで拡大
手書き修正中のノイズ波形
手書き修正中
(6)イコライザーで消す

リップノイズの周波数成分をイコライザーでカットしてしまいます。一括して処理できるので実はもっとも楽な方法なのです。音質への影響ですが、私の耳で聴き比べて「なんとなく何かが足りないような気がする」程度でしょうか。気になるようでしたら、ノイズがある部分だけに範囲を絞ればいいのですが、一括処理のメリットはなくなります。もしくはノイズのカットではなく低減と考え、イコライジングの深さをほどほどにしておくかです。

具体的なやり方ですが、前掲のスペクトラム表示で4〜5kHz辺りが濃く出ていましたのでイコライザーでその辺を思い切り落としてやります。まず、トラック全体を選択します。それから、[エフェクト(c)]-[イコライゼーション…]を選択。「グラフィックイコライザ」モードで4kHzと5kHzを一番下まで下げます。これでは下がり方が足りないので、「カーブの描画」モードで目一杯まで下げます。

イコライザーの設定画面
イコライザーの設定
イコライザーでカットした後のAudacity画面
イコライザーでカットした後

イコライザーでカットした音を聞き比べてみて下さい。きれいにリップノイズが消えているでしょう。

ノイズあり
ノイズ除去済
posted by rodoku_ole at 2012-05-13 | Comment(0) | TrackBack(0) | 自宅録音ガイド