無声とはここでは文と文との間のように声を発していない状態を指します。声以外の音が鳴っている可能性もあるので無音とは区別します。このときのリップノイズ、ブレス音、声門閉鎖音(*)、飲み込み音、ペーパーノイズ、その他突発的な環境音等を除去します。やり方は何通りかあります。
(*私の場合、緊張が原因で発語の直前に一瞬躊躇して声門を閉めたりして声門閉鎖音が出ることがあります。)
- ノイズを切り取ってしまう
- 無声の範囲を完全に無音化してしまう
- 定常音(声を出していない時にマイクが自然に拾う音、その他の電気的なノイズなども含む)をコピーする
一つ目の方法は、切り取ることにより無声部分が短くなっても無視できるクリック音などの短いノイズの場合に向いています。
二つ目は定常音が小さい時に使えます。目安としては声を出している部分で定常音の存在が気にならなければOKでしょう。定常ノイズが多い場合に完全に無音化してしまうと、発声部分でいきなりノイズが重なって聞えて不自然です。そのような場合は三つ目の方法が適しています。
では、下の図で示すノイズをそれぞれの方法でどう除去するかを説明します。
除去する箇所
(1)ノイズを切り取る
ノイズ部分が無視できる程度に短ければ、カットしてしまいます。ノイズ部分を選択してメニューから[編集]-[削除⌘K]、またはDELETEキー押下。切り取り([編集]-[切り取り⌘X]、またはをクリック)でもいいですが、この場合はカットした部分がクリップボードに保存されます。
ノイズ範囲を指定してカット
ノイズ部分カット後
(2)無声部の無音化
無声部分を範囲選択し、無音化機能で無音化します。メニューから[編集]-[特殊な削除・切り取り]-[無音化⌘L]、またはをクリックします。
無音化範囲を指定して無音化
無音化後
(3)定常音のコピー
ノイズを消したい範囲と同じ時間幅の定常部分を範囲指定してコピー(メニューから[編集]-[コピー⌘C]、またはをクリック)した後、消したい範囲を選択して貼付ける(メニューから[編集]-[ペースト⌘V]、またはをクリック)。
コピー元の範囲を指定してコピー
置換え対象範囲を指定して貼付け
置換え後
以上の三通りを上手く使い分けましょう。他にも「ノイズの除去」「クリックノイズの除去」などのエフェクトもありますので試してみて下さい。