[広告]
声とことばの磯貝メソッド
ヴォイスチェックサービス

[自宅録音ガイド] iPhoneでの高音質録音

最近はスマートフォンの所有率がかなり高くなっていますが、スマートフォンには様々な機能があり、その中には録音機能もあります。仕組はICレコーダーと同じで、16bit/44.1kHzリニアPCMの録音もできますから、録音専用機に劣らない機能と性能を内包していると言えます。

以下、Lightning端子接続のiPhone 5以降を対象として記述します。

マイクの選択

iPhone内蔵マイクは聴くに絶え得る音ではありますが、この記事群の「良い音で」という趣旨からすると対象外でしょう。とすると使うのは外付けマイクということになりますが、それらの中でLightning端子接続で楽器・音響機器メーカーから出ている主なものを挙げてみます。(2017年6月現在)

外付けといっても、iPhoneに直接挿すコンパクトな物から、ケーブルで接続する標準的な形状の物もあります。

タイプ 製品名 指向性 周波数特性 最大音圧 感度 S/N比 分解能 実勢価格    その他      
直挿し 単一 20〜20kHz 120dB -42.0dB 75.1dB 96kHz/24bit 17,000円 iPhone 7は対象外
可変 130dB 44.1k, 48kHz/16bit 7,000円 X-Y型
ヘッドフォン端子あり
可変 120dB 44.1k, 48kHz/16bit 7,500円 S-M型
ヘッドフォン端子あり
可変 20〜20kHz 120dB -37dB 48kHz/24bit 19,000円
単一 40〜20kHz 115dB 44.1k, 48kHz/24bit 14,500円
卓上設置 単一 20〜20kHz 130dB -40dB 55dB 48kHz/24bit 14,000円 ヘッドフォン端子あり
USBでPCに接続可
単一 96kHz/24bit 23,000円 USBでMacに接続可
単一 20Hz〜17kHz 132dB 78dB 48kHz/16bit 7,000円 USBマイクだが、USB-Lightningアダプター経由でiOSデバイスに接続可

※すべてステレオ、コンデンサーマイク(一部エレクトレット型)

私はこの記事を書いた2013年11月の時点ではiPhone 5を所有しており、Lightning端子で直接繋げる唯一の機種、iQ5を迷わず購入しました。2017年6月現在で選ぶとすれば、iQ7、もしくは奮発してMV88でしょうか。PCにも使え、ラージダイアフラムで低音がしっかり拾える卓上型も捨てがたいですね。

動画撮影とマイクの向き

音を録ることだけを考えると、iPhoneを縦に持った先の指向性があればいいのですが、動画を撮る時には画面と垂直方向の指向性が必要です。マイクの向きを変えられるiQ7、MV88などを選ぶ必要があります。

録音アプリの選択

録音アプリはiOS標準の「ボイスメモ」の他、実にたくさんあります。そのほとんどが会議等の録音をターゲットにしたものですが、ここでは外付マイクの性能を引き出せるメーカー対応アプリを挙げます。これらは専用というわけではなく、自由な組み合わせで使えますので、ダウンロードして使ってみて選べば良いと思います。

名称 開発元 エンコード方式 出力方法 編集機能 エフェクト 価格   その他    
ボイスメモ iOS標準 AAC(64kbps) AirDrop/
メッセージ/
メール/
iTunes
トリム 無料
HandyRecorder ZOOM リニアPCM、
AAC(64k/128k/160kbps)
SoundCloud/
iTunes
分割 6BANDEQ/
REVERB/
MASTERING
無料
PCM Recorder MK II TASCAM リニアPCM SoundCloud/
iTunes
リミッター/
ローカットフィルター
無料
RODE Rec RODE リニアPCM(24bit/最大96kHz[マイクによる])、
出力時AIFF/AAC等に変換可
SoundCloud/
Dropbox/
ブラウザ/
メール/
FTP/
iTunes
切る/
貼る/
トリム/
フェード/
Undo 他
コンプレッサー/
3BandEQ
720円 無料版あり
ShurePlus MOTIV SHURE リニアPCM(24bit/48kHz)、
出力時ALAC/AAC等に変換可
メール
テキスト
iTunes
Airdrop
Dropbox
なし コンプレッサー/リミッター/イコライザー
無料
iRig Recorder FREE IK Multimedia リニアPCM
出力はAAC
メール
Wi-Fi
FTP
SoundCloud
iTunes
なし 無料 App内課金で編集、wav書き出しなどの機能追加可
Apogee MetaRecorder Apogee Electronics リニアPCM(WAV/CAF 24bit/96kHz) Dropbox、iCloudDrive 無料 App内課金(600円)でFull版にアップグレード

※エンコード方式が“リニアPCM”となっているものは但し書きがないかぎり16bit/44.1kHz。

※出力方法が“iTunes”というのは、接続したPCのiTunesから取り出す方法。まずiTunesで「iPhone」のデバイスページにアクセスする。アプリが「ボイスメモ」の場合は「このiPhone上」ページで左メニューの「ボイスメモ」を開く。他のアプリの場合は「App」ページで「共有フォルダ」に出力される。
※出力方法が“ブラウザ”というのは、Wi-fiで接続されたPCのブラウザから指定のIPアドレスでiPhoneに接続し、そこからダウンロードする方法。

アプリによる音質の違いはあまりないのではないかと思います。基本的にはサポートしているエンコード次第と言っていいでしょう。

シンプルにただ録音したいのであればZOOM HandyRecorderがいちばん使いやすいのではないでしょうか。私は主にRODE Recを使っています。理由は細かな設定が出来ること。コンプレッサーとイコライザーの設定とか、編集時のレベルカーブの自由度とか。それから、ファイルの書き出し方法が多いこと。Dropbox出力があるのがいいです。

音質はいかに

iQ5とRODE Recの組み合わせで録ってみましたが、音質はいいです。どのくらい良いかは聴いて頂いた方がよく判るでしょうから、iPhone内蔵マイク、iQ5、ついでにH4n本体マイク、さらにH4nにRODE NT1-Aを繋いで録った音声をお聴き下さい。(マイクとの距離は15cmぐらい。ファイルはWAVで録ったものを192kbpsのMP3に変換)

iPhone内蔵マイク
iPhone+iQ5
H4n本体マイク
H4n+NT1-A

iPhone内蔵マイクとその他は明らかに性能の違いが分かるでしょう。他は、性能というよりも周波数特性の違いが顕れています。特にNT1-A。私の声は低域が強めですから、低域をしっかり拾うNT1-Aだとキツく感じます。逆にiQ5は若干低域が弱めのマイクだと思うのですが、丁度良く聴こえました。周波数特性は編集時にイコライザーで補正することも考慮して判断すれば良いのではないでしょうか。参考に、NT1-Aの音を補正した後の音もお聴き下さい。

その他注意点

録音中は機内モードに

ほとんどのアプリは電話の着信があると録音が停止してしまうようです。どうせ録音しながら電話に出ることはないでしょうから、録音中は機内モードにしておいた方がいいでしょう。これはバッテリーを無駄に消費しないためにも有効です。

ケースやバンパーによるマイク挿入不充分

ケースやバンパーを付けているとマイクの構造によってはスマートフォンとマイクの間にケースやバンパーがはさまる形になり、その分コネクターの挿さりが浅くなります。マイクの購入前に、いま使っているケースやバンパーに当たるかどうかを調べておいた方がいいでしょう。

ヘッドホンを挿すとヘッドホンのマイクが有効になる

iPhoneのヘッドホン端子はマイク入力も兼ねており、標準のヘッドホン(EarPods)にはマイクも付いています。右耳のコードの途中にボリュームコントローラーと一体になって付いています。ヘッドホンを端子に挿すとこれが有効になります。つまり、iPhone本体のマイクで録っているつもりが、実際はヘッドホンのマイクの音が録れていたということになります。これは、外付けマイクを接続した場合にも起こり得ます。実際にどうかは、アプリの仕様によるのかもしれませんが、全部調べている訳ではないので分かりません。ただ、iQ5のようにマイク本体に付いているヘッドホン端子の場合は大丈夫でしょう。




(2017/6/3 改訂)

posted by rodoku_ole at 2013-11-15 | Comment(1) | TrackBack(0) | 自宅録音ガイド
この記事へのコメント
これは分かりやすいです。
録音音声まで1ページに載っけてくれていて助かります。
Posted by メダル at 2014年06月08日 20:20
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/80666269

この記事へのトラックバック