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音源の最適なレベルとは[朗読・ナレーションのための自宅録音ガイド]

PCで作成した音声ファイルのレベル(ここでは音量を指します。グレードの意味ではありません)はどのくらいが良いのでしょうか。乱暴に言ってしまうと「ほどよく充分な音量」ということになります。いやいや、具体的にどれくらいのレベルをどうやって設定すればいいのか分かりませんよね。以下、色々な事情を踏まえてご説明します。

低すぎてはいけない

まず、レベルが低すぎるのは困ります。聴く人が上げりゃあいいじゃないかという考えもありますが、現代のリスニング形態を考えると好ましくありません。昔は――たとえば1970年代、私たちはステレオ(オーディオ鑑賞システムをこう呼んでいました)のターンテーブルにレコード載せてスピーカーの前で正座して音楽を鑑賞していました。針を落として曲が流れ始めて「あ、ちょっと小さいかな」なんて思いながらアンプのボリュームを時計回りに回したりしていました。それはさほどやっかいな事ではありませんでした。しかし、デジタルの時代、音楽プレーヤーから色々な曲が次々に流れてくる度に音量を調整するなんてことやってられますか? 無理ですね。そう考えると各々の音源のレベルはある程度揃っていないと都合が悪いのです。

時間の長い朗読の音源だとしても、やたら音量レベルの低い音源があったとしたらプレーヤーの音量をガッと上げて聴かなければいけません。そのあとで音量を戻し忘れて音楽を流したら爆音で心臓が飛び出そうになったなんてことがよくあります。これはたいへん迷惑です。やはり、世間が求める標準的なレベルに合わせるのが礼儀というものではないでしょうか。

なぜそんなにレベルの低い音源を作ってしまうのでしょうか。おそらく知らないからでしょう。その音源のレベルがどれくらいなのか、どの程度のレベルが最適なのかを。よく分からずになんとなくレベル設定していたり、あるいはレベルオーバーを恐れて低く設定しすぎたとかそういった原因なのでしょう。

高すぎる心配はあまりない

じゃあ、レベルが高すぎても駄目なのか。たしかにそうです。ただ、これはレベルが高すぎる音源が出来てしまう問題ではなく、録音や編集の段階で限界を超えて歪ませてしまう問題です。デジタルでは0dBという上限があるのでそれ以上は大きくしようがありません。ですから、0dBを超えないようにしつつノーマライズマキシマイズなどの方法で、目一杯でありながら高すぎないレベルの音源を作れるのです。

ノーマライズされた音源
ノーマライズされた目一杯のレベルの音源
今どきの基準

0dBの上限で目一杯上げてやろうというやり方は変わりつつあります。ラウドネス値という、人間の聴覚でどれくらいの音量で聞こえるかを数値化した測定方法が生まれ、さらにそれで測った基準値に統一しようという動きが少し前から出てきたのです。YouTubeだのSpotifyだののプラットフォームではラウドネス値の基準を設けて自動でレベル調整して再生するようになりました。

それを受けて私たちはどうすればいいでしょうか。こうしなさいという義務はありませんが、YouTubeなどにアップロードしたらこれぐらいに調整されますよというレベルを知っておいて、それくらいの値で自ら調整すればいいのではないかと私は考えます。それを判断するラウドネス値の単位はLUFSというやつですが、具体的には、YouTubeやSpotifyの基準である-14LUFSを目安にすればいいのではないでしょうか。ただし、音楽などの音がいっぱい詰まった音源でもその音量ですから、声だけの音源ならばもっと低くていいのではないかと思います。音楽と同じ強さで話し声が聞こえるとうるさいですよね。それを踏まえて、私はいつも-18LUFSという値で調整しています。

どうやって調整するか

最近は波形編集ソフトにはラウドネス値を測定したり設定した値になるように調整したりする機能が付いています。標準で付いていなくても外部のプラグイン(Youlean Loudness MeterとかTBProAudio dpMeter)をインストールできます。Audacityの場合は[エフェクト] - [Loudness Normalization]でラウドネスの調整ができます。ただし、Audacityのこの機能で調整したレベルは、少なくとも私がいつも使っているツール(wavesの「WLM Meter」やAdobe Auditionの「ラウドネス一致」)で調整した場合よりも低くなるようで、お勧めしていいものかどうか悩ましいところではあります。

プラグインとかそんなの分からない、面倒だという方のために、適当に-18LUFSくらいに設定する方法をご紹介します。波形を見て「このくらいかな」といい加減に判断して調整するだけです。

-18LUFSの目安

-6dB、つまりピークの半分のラインから下がそれなりに詰まっていて、たまにラインを超えるくらい。人の喋りや読みなら、それくらいでだいたい-18LUFSくらいのラウドネス値になります。

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