なぜ調整が必要か
素晴らしい音を最高の録音環境・機器で録音すれば素晴らしい録音物が出来ます。しかし、それでも聴く環境などによっては聴きにくい場合があります。ましてや良くない音源・環境・機器では尚更です。理由はいくつかあります。
電気音響を通した音は生とは違う
録音した音声は音量ひとつ取っても元のパフォーマンスを生で聴いたのとは違ったものになります。MCの音量が小さかったり逆に拍手の音が大きかったり、表現の抑揚も大きな音量差となって聞こえたりします。考えられる原因は、実際に音量差があるけれど生では音以外の情報もあって脳内で補正されている可能性。もうひとつは所詮2チャンネルでは再現性は低いということ。もしかするとバイノーラル録音ならば高い再現性で聞けるのかもしれませんが検証はしていません。
収音がベストとは限らない
ノイズが乗ってしまうかもしれません。その時は可能な限りカットします。低音が強調されて録音されるかもしれません。その時はイコライザーで補正します。音源によるものか環境によるものか原因はどうであれ、聴ききやすさのために原音忠実性を犠牲にしてでも調整する場合があります。
再生環境が良くない場合も考慮
機器の性能が低かったり雑音の多い場所で聴く場合、小さな音が聴き難かったりすることがあります。どんな環境でも無理なく聞こえるように、音量差を少なくしたり、人間の聴覚が捉えやすい周波数帯域や言葉の音声に多く含まれる帯域を強調したりします。どんな調整が必要か
- ノイズ除去
- 定常的な環境ノイズや突発的な様々なノイズを可能な限り除去、低減します。
>> Audacityによるノイズ除去
>> iZotope RXを使ったリップノイズの除去 - 音量調整
- 音量差を、聞きにくくない程度に調整
- イコライジング
- 周波数特性の調整
- コンプレッション
- 全体の(特に小さい音の)音圧を上げる
- 音源の最終的なレベル調整
- 外にリリースする音源として最適なレベルにします。
>> 音源の最適なレベルとは